日本保全学会 東北・北海道支部 第9回総会開催のご報告

Date:2017.06.23

日本保全学会 東北・北海道支部
      支部長 橋爪 秀利

 日頃より、日本保全学会 東北・北海道支部の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。第9回支部総会を開催しましたので、ここにご報告申し上げます。

 

日本保全学会東北・北海道支部第9回総会

 

 平成29年5月12日、東北大学流体科学研究所2号館5階会議室において、第9回支部総会が開催されました。総会出席数は委任状を含めて78名であり、総会成立要件である支部員数の1/3以上の定足数を満たしました。
審議結果は以下の通りです。
1)第1号議案:平成28年度事業報告がなされ、承認された。
2)第2号議案:平成28年度決算報告がなされ、承認された。
3)第3号議案:平成28年度監査報告がなされ、承認された。
4)第4号議案:平成28年度事業計画案が提示され、承認された。
5)第5号議案:平成29年度予算案が提示され、承認された。
6)第6号議案:平成28-29年度 東北・北海道支部 役員案が提示され、承認された。
7)第7号議案:平成29年度 活動について(予算・10周年)が提示され、承認された。

 

橋爪支部長挨拶

宮理事長挨拶

第9回支部総会の様子

日本保全学会東北・北海道支部特別講演会、および若手発表

日時: 平成29年5月12日(金)15:15~17:30
会場: 東北大学流体科学研究所2号館5階会議室

特別講演会
講演1 【泊発電所における重大事故等への対応に関する取り組みについて】
北海道電力㈱ 原子力部 部長 勝海 和彦 氏
講演資料

泊発電所で実施されてきている安全対策の中で、重大事故等(SA:シビアアクシデント)に適切に対応することを目的とした、重大事故等対処設備(SA設備)の配備等によるハード面の強化ならびにSA設備を使用した事故対応手順の整備や、それを取り扱う要因の知識・技能の向上などのソフト面の強化について紹介されました。特に、SA対応を行う体制の強化およびSA対応を行う要員への教育訓練の充実化について、具体的な事例や実際の訓練風景と共に紹介されました。

講演2 【PRA における人的過誤と人間の安全へのポジティブな寄与について】
東北大学 教授 高橋 信 先生
講演資料

 実務的側面から見た人間信頼性解析の問題点について、いくつかの具体的な指摘がありました。続いて、安全に関する新しい考え方(Safety-II)の解説を通して、「何かがうまくいかなかった時は、その失敗だけを説明する特定の原因を見つけるよりは、通常はなぜうまくいっているのかを最初に理解すべき」との提言がありました。最後に、人間の安全へのポジティブな寄与ついて、福島事故時における評価できる対応の事例を紹介しながら、その重要性について強調されていました。

若手による発表
 東北・北海道支部に所属する産業界ならびに大学の若手技術者・研究者により下記3件の講演が行われました。いずれも設備の健全性維持・向上に貢献する重要な取り組みであり、聴講者の関心も高かった模様で、活発な質疑が行われました。

1)【 放射性廃棄物処分場周辺におけるカルシウムシリケート水和物の生成による核種閉じ込め効果 】
東北大学 千田 太誌 助教
講演資料

 

2)【 六ヶ所再処理工場における各種設備アズビルト情報の3 次元レーザー計測と設備保全への適用 】
(株)ジェイテック 保全技術部 設計グループ 久保田 紫乃 氏
講演資料

 

3)【 廃炉・汚染水対策に関する東京電力の取組~福島第一原子力発電所の状況~ 】
東京電力ホールディングス(株) 松崎 勝久 氏
講演資料

懇親会
日時: 平成29年5月12日(金)17:40~19:10
会場: 東北大学 片平キャンパス レストラン萩

支部総会・特別講演会後の懇親会では、会場の各所で参加者による活発な意見交換が行われ支部員同士の親睦を深めました。