伊方発電所1,2号機はアナログ式の中央制御盤で運転していたが、安全安定運転を可能とするとともに操作機能の向上を図るべく、中央制御盤、安全保護設備・原子炉制御設備等の制御装置、並びに装置間などのケーブルを2009年7月に一括して最新の技術を取り入れた総合デジタル式に取り替えた。

ソフトオペレーションを主体としたコンパクトなコンソールタイプの中央制御盤への更新により,運転員の肉体的・精神的ワークロード及び潜在的ヒューマンエラー率を低減させ,プラントの安全性/信頼性を向上させた。アナログ製造中止品の排除や保守部品の低減、更にはサイバーセキュリティー対策などへの拡張性を確保することで、最新プラントと同様の運転環境へのリニューアルを実現した。

供用中の原子力発電所で、既設のアナログ式制御装置全体を総合デジタル制御装置に取り換える総合デジタル化更新工事は世界初であり、歴史的意義は大きい。制御設備の更新を1回の定検期間で完了させたことも特筆すべき点である。

総合デジタル化に伴って、様々な計装制御機器の診断/点検を自動化する ことにより、定検時の校正・調整が不要となる等、保全作業を大幅削減することが出来た。

 

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認定番号 保全遺産第8号
年度 2022
対象名 中央制御盤等の
総合デジタル化更新工事
所有機関 四国電力㈱
三菱重工業㈱