軽水炉の定検での検査・点検や供用期間中の種々の工事において、作業員の被ばくを低減しアクセス性を良くすることは必要不可欠である。被ばく低減には、被ばくの主たる原因である炉内機器や配管内面の酸化被膜(被膜中に放射性核種(Co など)が存在する)の除去が有効である。

シーメンス(現 Framatome)の CORD法が 1980 年代後半より世界的にも幅広く適用されたが、90 年代後半以降、我が国でも技術開発が進んだ。日立GEのHOP法は国産の希薄酸化還元除染技術として日本で初めて新型転換炉に適用された(1999年)。東芝ESSのT-OZON法は酸化剤・還元剤共に分解可能な除染剤を適用した世界初の技術である。三菱重工はPWR廃止措置のニッケル基合金が主となる系統除染へCORD法を世界で初めて適用した(2017年)。海外技術の導入からスタートしつつも、世界的にも初めてとなる適用個所の拡大を図った歴史的意義は大きい。

適用された発電プラントの被ばく線量は大幅に低下した。また、廃止措置における炉内一括除染への適用も実現され、活用の範囲を更に広げている。

 

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認定番号 保全遺産第7号
年度 2022
対象名 軽水炉の高線量機器に対する
化学除染技術
所有機関 日立 GEニュークリア・エナジー㈱
東芝エネルギーシステムズ㈱
三菱重工業㈱