「原子力産業基盤強化事業@東北大学」受講者募集のご案内

■主催者:東北大学・電力中央研究所

 

■事業の背景と目的 :
本事業は、原子力発電プラントの自主的安全性向上を図る上で重要な『リスク情報を活用
した意思決定』を保全活動において具体化していくこと、さらに、そのための不可欠な
ツールとなる『機器の材料劣化事象に対する確率論的な健全性評価手法』を整備していく
ための人材養成を図るものです。確率論的な健全性評価手法を整備することによって機器
の損傷確率が定量的に評価可能となることから、保全活動のリソースを合理的かつ効果的に
投入することが可能となります。さらに本事業の成果を発展させることにより、
次フェーズでは、機器の材料劣化・損傷を確率的な指標として取り込むことによる現行
PRA手法の高度化を目指すことが可能となります。
このような観点から、材料技術の高い専門性を有しながらシステム全体の信頼性を俯瞰
する素養を備えた技術者を養成することを目的としています。

 

■実施内容 :
この人材養成の取り組みは、座学研修(俯瞰的リスク評価に関する基礎知識の習得等)、
実験を含む実習型研修(環境助長割れおよびその評価に関する専門研修等)、総合演習
(確率論的健全性評価の確立に向けた演習)の3要素の組み合わせにより構成されます。
このプログラムを通して、電気事業者およびメーカー等の人材に対して、材料劣化の
高度な専門知識をリスク情報として活用することにより設備保全・運用管理の高度化を
図る能力を一層向上させる機会を提供します。
令和2年度からの5年間の積上げによる研修を計画しておりますが、昨年度参加された
方々はもちろん、今年度新たに参加される方にも無理なく受講頂けるように配慮いたします。

 

■日程:
令和4年度には、下記のスケジュールで実施します。軽水炉システムを対象とした俯瞰的
リスク評価ならびにそれを支える確率論的健全性評価の概念と意義を理解するとともに、
それら評価の基盤となる材料試験データ取得上の課題について実践を通して把握します。

[第1回] 令和4年11月9日(水)午後@オンライン
【座学研修:材料劣化の専門知識を確率論的健全性評価に活用するための基礎知識習得】
  (1) 確率論的健全性評価の概念
  (2) 確率論的破壊力学の基礎
  (3) 環境助長割れに対する確率論的健全性評価の意義と課題

[第2回] 令和4年11月10日(木)全日@東北大学青葉山キャンパス※
【実験実習:最新の材料試験技術(SCC試験技術)の実践と課題の理解 その1】
  (1)高温高圧水中SCC進展速度評価の方法論と試験開始
  (2)高温水中SCC進展試験技術の実践と実施上の課題の理解(実験実習)

[第3回] 令和5年1月19日(木)全日@東北大学青葉山キャンパス※
【実験実習:最新の材料試験技術(SCC試験技術)の実践と課題の理解 その2】
  (1)試験結果の取得および評価の実践と評価上の課題の理解(実験実習)

[第4回] 令和5年1月30日(月)午後@電力中央研究所(横須賀地区)※
【演習:配管PFMコードにおけるSCC関連の入力パラメータの影響評価】
  (1) SCC発生寿命分布が健全性評価に及ぼす影響(演習)
  (2) SCC進展速度分布が健全性評価に及ぼす影響(演習)
  (3) 供用期間中検査が健全性評価に及ぼす影響(演習)
   - 検査性能(亀裂検出確率POD)
   - 検査実施時期,検査頻度

※第2回~第4回の実施方法は、対面での実習および演習を計画しています。
ただし,新型コロナウィルスの感染拡大状況によっては開催方法を変更する可能性があります。

 

■受講料:無料

 

■定員:一律の定員は設けませんが、設備の都合から人数の制限が生じる回があり得ます。
(申し込みの採否につきましては、主催者にご一任下さいますようお願い申し上げます。)

 

■申し込み方法
下記Googleフォームよりお申し込みをお願いいたします。
※部分的な参加も歓迎いたします。
https://forms.gle/3tCvosvmQx63HBPr6

申込締め切り日:令和4年11月4日(金)

 

■問い合わせ先
東北大学 大学院工学研究科 渡邉 豊、佐々木真実
yutaka.watanabe.d3@tohoku.ac.jp
mami.sasaki.b8@tohoku.ac.jp
022-795-7912