受講者募集のご案内(東北大学・電力中央研究所)

軽水炉保全高度化を担う俯瞰的リスク評価能力と材料専門性を兼ね備えた技術者の育成
(経産省資源エネルギー庁「原子力の安全性向上を担う人材の育成事業」)

【事業の背景と目的】
本事業は、原子力発電プラントの自主的安全性向上を図る上で重要な『リスク情報を活用した意思決定』を保全活動において具体化していくこと、さらに、そのための不可欠なツールとなる『機器の材料劣化事象に対する確率論的な健全性評価手法』を整備していくための人材養成を図るものです。

確率論的な健全性評価手法を整備することによって機器の損傷確率が定量的に評価可能となることから、保全活動のリソースを合理的かつ効果的に投入することが可能となります 。さらに本事業の成果を発展させることにより 、次フェーズ では、 機器の材料劣化 ・ 損傷を確率的な指標 として取り 込むことによる 現行 P RA 手法の高度化 を目指すこと が可能となります。

このような観点から、材料技術の高い専門性を有しながらシステム全体の信頼性を俯瞰する素養を備えた技術者を養成することを目的としています。

【実施内容】
全体計画としての具体的な取り組みの内容は、座学研修(俯瞰的リスク評価に関する基礎知識の習得等)、実験を含む実習型研修( 環境助長割れ およびその評価に関する専門研修等)、総合演習(確率論的健全性評価の確立に向けた演習)の 3要素の組み合わせにより構成されます。

このプログラムを通して、 電気事業者およびメーカー等の人材 に対して、 材料劣化の高度な専門知識をリスク情報として活用することにより 設備保全・運用管理の高度化を図る 能力を一層向上させる機会を提供します。

令和2年度からの5年間の全体計画として予定 しています。

スケジュール 初年度である令和2年度には、下記のスケジュールで実施します 。これにより、5 年プログラムの出発点として、軽水炉システムを対象とした俯瞰的リスク評価ならびにそれを支える確率論的健全性評価の概念と意義を理解するとともに、それら評価の基盤となる材料試験データ取得上の課題について実践を通して把握します 。

第1回:
令和2年 11月27日(金)全日
テーマ:プラントの俯瞰的リスク評価に関する基礎知識の習得
○米国 ROP ならびに我が国の新検査制度、 RIDM 等(リモート座学)
○確率論的健全性評価への期待と現状と課題(リモート座学)
○新検査制度下における経年劣化管理の在り方(リモート討論)
第2回:
令和3年 1月20日(水)全日
テーマ:SCC 進展速度評価に関する専門知識の高度化
○最新の SCC 進展試験技術と課題(リモート座学)
○ SCC 進展片破面解析、進展試験データ整理(現地実験実習 :参加可能な方のみで実施
第3回:
令和3年 1月27日(水)全日
テーマ:確率論的健全性評価の基礎習得と試評価
○確率論的健全性評価の基礎:評価コードの構造と入力パラメータなど(リモート座学)
○確率論的評価を用いた健全性試評価の実施と入力パラメータが及ぼす影響の把握(リモート演習)
○確率論的健全性評価の確立に向けた課題の抽出と技術マップの作成(リモート演習)
受講料・定員 無料・30名
申し込み方法 参加希望者の
・ご氏名
・ご所属
・連絡先(メールアドレスおよび電話番号)
を下記までメールにてお知らせ下さい。
申込締め切り日:令和2年11月17日(火)
(申し込みの採否につきましては、主催者にご一任下さいますようお願い申し上げます。)
受講申し込み・問い合わせ先 東北大学
大学院 工学研究科 渡邉 豊、佐々木真実
yutaka.watanabe.d3@tohoku.ac.jp
mami.sasaki.b8@tohoku.ac.jp
022 79 5 7912