第11回 保全セミナー

- 各産業界における保全活動の現状と将来 -

第11回保全セミナー

クリックするとビュアーが開きます。
「•••」メニューからPDFダウンロードができます。

発行

2011.01.31

価格

10,000円(税込み)

21世紀は人の高齢化と物の高経年化に伴う老朽化に対応していかなければならない。これには寿命を延ばすことだけが課題ではなく、健全に生活できる、あるいは、所定の性能で動作することのできるようにして、すなわち健康寿命を延ばすことが大事である。このためには人の健康と物の健全な動作のために、保全が重要となる。人の保全のためには、検査、診断、治療が行われるが、物の保全としては、検査、評価、補修・補強が行われる。その方法や考え方には類似点が多く見られる。すなわち保全には普遍的な考え方や手法があるものと思える。
今回のセミナーでは、人工物に対する保全について、いろいろな産業界での活動の現状と将来についてお話しいただくことになっている。航空、船舶などの輸送分野、鉄鋼、化学プラントなどの製造分野など、いずれの産業界においても、その安全性及び生産性を確保する観点から、保全は極めて重要である。

 一方、本日の参加者の多くが関係している原子力発電所においては、平成21年1月に新検査制度が導入され、現在、同制度に則った保全計画に基づき、設備診断技術の導入、保全の有効性評価など保全の最適化に向けた活動に取り組んでいるところある。本セミナーでは、原子力発電所における保全の将来像を考える上で非常に有効であると考えられる他産業における保全活動の現状と将来について幅広く議論し、有用な情報を提供されるものと考えられる。
本日のセミナーでは、第一部として輸送機器の保全について、航空、宇宙、船における保全の考え方と保全のための検査方法などが講演される。第二部ではプラントの保全として、鉄鋼設備、化学プラントでの診断技術や設備管理の考え方が示される。第三部ではインフラストラクチャーの保全として、橋梁、道路、トンネルなどの保全活動に関連して、劣化メカニズムや劣化予測技術などが紹介される。さらに、特別講演として、「産業界における将来の保全の在り方」と題して、設備管理の充実のためには計画保全力を高めることが重要であり、それが将来の保全のあるべき姿につながるとの講演がなされる。これらの講演を通じて、保全活動における考え方、方法、そして保全活動を実施する人材の育成についても、先進的な実例や方法論が示されることになる。
本セミナーは,保全活動に関係する皆様を始め、この向上に期待する方々にも多数参加いただける機会であり、情報と価値観の共有の一助にもしていただければ幸甚であると考えている。

最後になりますが、講演者および座長の方々,実行委員の皆様を始めとして、本セミナーにご協力いただいた方々および関係機関に心よりお礼を申し上げます。また、日本保全学会事務局の関係各位には本セミナーの企画・運営にいつもながらのご配慮の行き届いたご対応をしていただきました。記して謝意を表します。

閉じる