第8回 保全セミナー

- リスクと保全 -

第8回保全セミナー

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発行

2009.10.06

価格

10,000円(税込み)

2000年代の初頭には、BSE問題が発生する等、我々の生活に身近なところから、「ハザードとリスクの関係」について考えさせられる事象が発生しています。「ハザードとリスクの関係」は、通常、一般の人々にはハザード情報だけが強調されて伝わり、ハザードの大きさだけでリスクの大きさを判断してしまう傾向があります。たとえば、BSE問題では、科学的知識の不足や誤解だけでなく、情報化社会であるが故の、正確さを欠く情報の氾濫の中で、「科学的合理的な評価手法と判断基準」に照らした判断がなされるのではなく、メディア情報に翻弄され、混乱がもたらされていると考えられます。
このような社会情勢の中、原子力分野における「リスク情報活用」については、平成17年5月に、原子力・安全保安院から「原子力安全規制への「リスク情報」活用の基本的考え方」が示され、安全規制制度全体の高度化・合理化に取り組むことを大きな目標とし、原子力安全規制の科学的合理性を追求した、継続的な取り組みが進められています。

保全をめぐる動きとしては、本年1月に、保全プログラムを基本とする新しい検査制度に関する省令が施行され、順次、新検査制度に移行が進められています。新検査制度においては、必要な時に、必要な検査を行う事が中心となっており、個別の機器をしっかりと保全していくだけではなく、原子力発電所をシステムとして捉えて最適な保全を進める事になっています。この必要な時に、必要な検査を行うためには、現在の様な停止中に実施する保全だけではなく、運転中に実施する保全の位置付けが重要となってきます。
アメリカなどでは、従来から運転中保全(オンラインメンテナンス)が行われ、安全な原子力プラントの運転が継続されています。我が国においては、現在の保安規定及び原子力・安全保安院の内規では、やむをえない場合を除いて、計画的な運転中保全は出来ない事になっています。一方、本年6月より開始された、原子炉安全小委員会運転管理WGでの議論を通じて、単一系統に対する計画的な運転中保全については、安全への影響が無いことから認める方向で議論が進められています。しかし、リスク情報の活用を推進する必要がある複数系統に対する運転中保全や、AOT延長などについては、今後の検討課題となっています。

このような背景から、本セミナーでは、運転中保全の実施を中心として、リスクと保全のあるべき姿や、今後の展開について、講演をいただくとともに、より良い保全に向けた活動について議論を深める事を目的としています。

第1部では、新検査制度におけるリスクの課題について、原子力・安全保安院、原子力安全基盤機構、日本機械学会による検討の状況を講演いただきます。第2部では、リスク適用の現状と課題と題して、原子力以外の産業や海外事例などの状況について講演いただきます。第3部では、運転中保全におけるリスクの取り扱いと課題について講演をいただきます。これらの講演に引き続き、リスクの社会的受容性と題して、今後の保全が目指すべき方向性や、そのために行わなければならない課題などについて、パネル討論によって明らかにしていきます。

最後に、講演者及び座長の方をはじめとして本セミナーにご協力いただいた方々及び関係機関に、心よりお礼を申し上げます。また、日本保全学会事務局の皆様には本セミナーの企画段階から大変お世話になりました。記して感謝の意を表します。

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