第22回 保全セミナー

- DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用して原子力保全に変革を! -

第22回保全セミナー

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発行

2023.02.24

価格

11,000円(税込み)

欧米では、サイバーフィジカルシステム (CPS)を導入した第4次産業革命Industry 4.0 が2011年に提案されて、実際に運用されています。これによって生産性が向上し、海外の工場を自国に戻すきっかけになっています。また、日本においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)によって社会様式を変化させるSociety 5.0 の概念が2016年に発表されています。いずれも、ICT, IoT, IIoT , ビッグデータ, 人工知能(AI)などがキーワードになっています。
CPSでは実空間のデータを用いてサイバー空間の中でシミュレーションを実施して実空間の機器の動作を模擬します。サイバー空間で構築された機器やその動作などをデジタルツイン(双子)と呼んでいます。実物と同じサイバー空間を構築して実空間の動きを再現しながら設計検討や保守計画を進めるコンセプトであるデジタル・ツインはIndustry 4.0 を支える重要技術として世界中で開発が進んでいます。例えば、発電設備の設置と運用ではコンピュータ上に仮想発電所を構築して最適な発電機の設計と配置を行います。運用データから効率的な点検計画を策定する技術の競争が始まっているとも聞いています。
日本において、原子力分野に目を向けると、国内の一般産業や海外原子力産業と比較するとDX技術の活用もあまり進んでいないように見えます。DX化が急速に進もうとしている社会の変革期において、データ駆動技術を活用して新しい原子力の保全に取り組むことが、安全性と効率性を向上させて原子力を取り巻く閉塞感を打ち破る力につながるように思います。
産業のDX化は3ステップあると言われています。第1は情報のデジタイゼーションです。第2は産業のデジタライゼーションです。これによりデジタルの特性を生かした新しい機能が追加されます。第3はデジタルトランスフォーメーション(DX)化です。物理世界には存在しないサービスやワークフローが可能とされています。本日のセミナーではDX化のさまざまなレベルにおいて、産業界で先進的に進められているDX技術を生かしたプラントの保全技術や保全活動、原子力保全DXの概念や海外の状況、Industry 4.0に密接に関連したNDE4.0の現状、また、XRやメタバースを活用した原子力保全の可能性について紹介していただきます。さらに、デジタル化とインターネット利用から生じる危険性を回避するためのサイバーセキュリティーの考え方についても講演していただきます。
最後に、講演者を始め、本セミナーにご協力頂きました実行委員会委員ならびに関係機関の方々に心より御礼を申し上げます。また、日本保全学会事務局の皆様には、企画段階から大変お世話になりました。この場を借りて御礼を申し上げます。

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