第2回学術講演会要旨集

第2回学術講演会要旨集

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発行

2005.07.08

価格

7,714円(税込み)

第2回学術講演会の開催にあたって

 日本保全学会学術講演会は今回で第2回目を迎えます。
日本保全学会が日本で初めて体系化された「保全学」を専門に扱う学会として発足して、足掛け2年が経ちました。その設立を記念した昨年の第1回学術講演会は東京で開催され、招待講演及び基調講演各2件、オーラル講演27件、ポスター講演22件、合計49件の発表がありました。本年は、京都で開催され、招待講演及び基調講演各2件、オーラル講演54件、ポスター講演40件に加えて、日韓セミナー6件の合計104件の発表があり、昨年の2倍強に上るご講演を得ました。これは、世の中の保全に対するニーズや関心が一層強くなっていることを反映したものと考えられます。
 近年の日本のように、一大成長期を経て、経済的な安定成長期を迎えた社会においては、一頃の大量生産・大量消費という考え方を180゜転回して、現有機械・構造物を修復、更新、時には一部再生して、如何に長く安全に、かつ安心して使用できるかが重要な技術的課題となってきています。近年は、また、石炭や石油などのエネルギー資源ならびにアルミニウムなどの原料資源の有限性も強く認識されています。このような円熟期を迎えた社会においては、保全ないし保全学は今後ますます重要になっていくものと思います。
 保全は、よく医療に喩えられます。従来の医療では、病気に罹った後の治療に専念してきましたが、近年の医療では、病気を未然に防ぐための予防医療が重要視されてきていると聞きます。保全の世界においてもこの事情は全く同様で、これまでの故障箇所の発見と修復を前提とした検査、補修に加え、機械・構造物の全寿命を通じた経済的・合理的な運用・運転を目指した監視、予防などの通常時の保全活動の重要性が指摘されています。本講演会でも、監視、予防、合理的・経済的な保全計画の構築に関する発表が多く見られますが、これはそのような世の中の動向を的確に捕えている証左だと思います。本講演会では、また、材質劣化や高経年化に関する講演も多く見られます。長期使用による機械・構造物の経年劣化を如何に検出し、制御するかも今後の保全学の重要な課題だと思います。
 さて、日本保全学会学術講演会は、他の学協会に比べて企業からの研究者・技術者の参加が多いのも大きな特徴の1つだと思います。単に学問としての保全学の体系化を図るのではなく、産学官が有機的に連携し、誕生から廃棄に至るまで、全寿命を通じて機械・構造物の健全性や経済性を保証する生きた実学としての保全学の構築に、この学会の果たす役割が今後ますます重要になって行くものと思います。
 最後になりますが、今回の講演会の予稿集の編集•発行にあたっては、保全学会事務局の多大なるご支援・ご協力を賜りました。記して、関係諸氏に対する謝意を表します。

2005年6月10日

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