日本保全学会 事務局
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原子力発電所の保全に関するサマースクール「Maintenance Science Summer School 2010」を下記日程にて開催した。

日時: 平成22年7月19日~23日
会場: 東北大学流体科学研究所 COE棟3階セミナー室

本サマースクールは保全学会活動の新たな試みの一つとして、我が国を含むアジア諸国における原子力保全に関わる若手育成に資することを目的として、日中韓の大学院学生を対象として行われたものである。参加募集はホームページ及び学会メーリングリスト等を通じて行い(図1)、
  • 南京航空航天学院(中国)Aeronautical Science Key Lab for Smart Material and Structures 博士課程学生1名
  • 清華大学(中国)School of Aerospace 博士課程学生3名
  • 華北電力大学(中国)School of Nuclear Science and Engineering 博士課程学生1名
  • 西安交通大学(中国)航空航天学院 博士課程学生1名
  • 成均館大学校(韓国)School of Mechanical Engineering 博士課程学生1名
  • 神戸大学システム科学専攻 修士課程学生1名
  • 東北大学流体科学研究所 博士課程学生及び修士課程学生各1名
  • 東京大学原子力国際専攻 博士課程学生1名
  • 大阪大学マテリアル生産科学専攻 博士課程学生1名
  • 東北大学エネルギー安全科学国際研究センター 研究員1名
  • 東北大学量子エネルギー工学専攻 社会人博士及び研究員各1名

の計15名が参加した(国内大学からの参加者8名中4名は中国からの留学生のため、参加者の国籍としては日本4名、中国10名、韓国1名である)。


図1.サマースクールアナウンスメント


サマースクールでは、原子力プラントの保全に関する講義(座学)、学生発表、女川原子力発電所見学、そして東北大学内研究室(庄子研究室、小川研究室、高木研究室)の見学及び各研究室に分かれての実習を行なった。


図2.サマースクールスケジュール

講義(座学)の題目と講師の方々は
  • design for performance to design for maintenance(法政大学宮野廣客員教授)
  • Application of a cold-spray technique into repair for degraded and damaged parts of materials (東北大学小川和洋准教授)
  • Stress corrosion cracking of austenitic alloys in high temperature water(東北大学Qunjia Peng准教授)
  • The outline of the maintenance at the Onagawa NPP(東北電力音喜多諭氏)
  • Pipe wall thinning management and evaluation methods (電中研稲田文夫氏)
  • Nondestructive testing for nuclear power plants(東北大学内一哲哉准教授)
  • Maintenance in Japanese nuclear power plants (東北大学青木孝行客員教授)

である。

ご多忙中本サマースクールにご協力いただいた講師の方々にはこの場を借りて改めて御礼を申し上げる。




学生発表は、自身の研究を他の参加者に説明するというものであったが、質疑応答にも十分な時間を取り、さらに初回以降は座長も学生に努めさせるなど、自主的な運営を行わせることとした。
初回はかなりの戸惑が感じられたが、日を追うに従って議論が活発となり、また司会進行もスムーズになってゆくなど、明らかな変化を見て取ることができた。
また、最終日にはWrap-upと称した完全フリースタイルでの5分間程度の発表を参加者に行わせたが、Wrap-upにて行う内容はサマースクール初日に通達したにもかかわらず、発表は各人の個性がよく出た、いずれも非常に見事な出来であった。


 


女川原子力発電所見学は東北電力株式会社殿のご協力を得て、サマースクール中日である7月21日に実施させていただいた。
午前中に仙台発、夕方に仙台着というスケジュールであったために、滞在自体は2時間ほどであったが、女川原子力発電所全体に関する説明、原子炉建屋及びタービン建屋内部の見学、実損傷事例の見学、そして質疑応答と、密度の高い内容であり、もっと見学時間を長くとってもらいたいとの意見が多く聞かれた。
また、これまでに原子力発電所を訪れたことがなかった約半数の参加者にとっては、今回の見学は特に印象深かったようである。


研究室見学及び研究室実習は、東北大学の庄子研究室、小川研究室、高木研究室にて行った。
参加者全員で3研究室を見学した後、翌日研究テーマが比較的近いと考えられる研究室において、約1時間半の実習及び研究に関する議論を行った。


 


以上に加えて、参加者間の親睦を深めることを目的としたWelcome Party、加茂綱川村太鼓経験、 魯迅の階段教室訪問、Farewell Party等をサマースクール期間中に行った。本サマースクールを通じて、参加者間の交流が今後も続くようであれば我々主催者としても望外の喜びである。


 


最後に、サマースクール最終日に行った参加者アンケートの結果の集計結果の一部を図3~5に示す。
多少のお世辞も入っているのかとは思うが、非常に好評だったという事ができる結果となり、主催者一同胸をなでおろしている。


図3.サマースクール全体の評価点



図4.サマースクールの内容について



図5.講義の質について


尚、現時点では詳細は未定であるが、本サマースクールは正式に保全学会行事として毎年開催することを予定している。国際的な視野を持った若手の教育は保全学会としても最重要課題の一つであり、今後皆様のご協力をお願いする次第である。

2010.08.31