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日本保全学会員は、人類が創り出した人工物及びシステムが社会と深く係わっていることを認識し、保全を学術として体系的に構築すると共に、保全活動を通じて安全の確保と環境の保全に貢献することを願う。
保全が社会環境に果たす役割の重要性を認識し、専門能力の向上に努めるとともに、法令・規則の遵守を念頭に自らの信念と良心に従って誠実に行動し、情報公開の原則のもと人工物とシステムに対する社会的な安心感と信頼感の醸成に努力する。

これらの理念を実践して人類と自然が共生できる環境の創造と持続的発展を達成するために、ここに会員の行動基準としての倫理綱領を定める。

倫理綱領

  • 会員は、人類の安全と福祉並びに健康を念頭に、人類の持続的発展を目指して地球環境の保護のために最善を尽くす。
  • 会員は、保全の重要性と社会への影響を認識し、自らの専門知識の獲得と技能の研鑚に努めると共に、他の技術者・研究者を支援する。
  • 会員は、自らの活動によって社会に危害を及ぼすことが無いように、自己の能力に配慮しつつ行動する。
  • 会員は、専門知識、技能、経験に基づき、自らの信念と良心に従って行動する。
  • 会員は、透明性の確保に努め公開を旨とし、社会への説明責任を果たし、社会的信頼を得るように努める。
  • 会員は、科学的合理性・客観性・公正性に基づいて、自ら技術的判断を行う。
  • 会員は、あらゆる法律や社会の規範の遵守を優先し、自らの職務に係る契約を尊重して誠実に行動する。
  • 会員は、人種・国籍・宗教・職業・性別・年齢・障害などに囚われることなく、公平かつ真摯に対応する。
  • 会員は、建設的批判に謙虚に耳を傾け、真摯な態度で討論すると共に、他者の知的成果と知的財産権を尊重する。
  • 会員は、学会活動に参画することに誇りを持ち、保全の社会的な評価を高めるよう努力する。